最近TOEICが難しくなったという話がありますが、単語が難しいとかいったものではなく、トリッキーなものがあって、集中を妨げられるということがあるように思われます。

要するに、選択肢が紛らわしくなっているということですね。実は、これは数年前から続いているTOEICの傾向のひとつです。

例えば、PART3などで次のような会話がなされるとします。
 (A:男性 B:女性)

 A:すみません、Sallyさんはいらっしゃいますか?
   先ほどお電話をしたら、こちらにいらっしゃると伺いました。

 B:彼女は先ほど昼食に出かけられましたよ。

 A:いつお戻りかわかりますか?

 B:すみません、わかりません。彼女の携帯電話番号をご存知ですか?
   ご存じでないなら、彼女の同僚にどこに行ったのかを聞いてみます。
こういった会話に対して、問題と選択肢が次のようになっていたりします。

 Q. この後、男性はどうすると思われますか?

 A 携帯電話の番号を彼女から聞く
 B Sallyさんの同僚にどこに行ったのかをたずねる
 C 電話をかける
 D 彼女と昼食に行く

ちょっと極端な作りにしましたが、答えはCになります。

思わずAやBを選んでしまいそうですが、これらは答えになりません。
A(携帯電話の番号を彼女から聞く)というのは、「AさんがBさんからSallyさんの携帯電話の番号を教えてもらう」ということになります。

しかし、会話文では「AさんがSallyさんの携帯電話番号を知っているかとBさんがたずねている」だけです。「教える」とは言っていません。

ここでのひっかけのポイントは、「知っているか?と聞いている」ことから「知らないなら教える」と勝手に解釈するように誘導することにあります。

しかし、「知らないと答える」と決まっているわけではありません。この回答の部分は省略されているからですね。

想像力をフルに発揮して、状況把握をすることはとても重要なのですが、言っていることだけをしっかりとらえるということに集中したいものです。

言っていないことを勝手に補ってしまうと、こういう誘導に乗せられてしまいます。

次に行きましょう!

B(Sallyさんの同僚にどこに行ったのかをたずねる)だと、「AさんがSallyさんの同僚にどこに行ったのかをたずねる」ということになりますが、会話文よりこの行動をするのはBさんです。

このひっかけのパターンは、「主語をズラす」という典型的なひっかけパターンで、大学入試の問題などでも、よくつかわれる“ニセ選択肢の作り方”なのです。

したがって、日ごろのトレーニングでも、「誰が・どうした」というのはセットでとらえることに集中しないといけないということになります。
さて、正解のC(電話をかける)は、会話文で「彼女の携帯電話番号をご存知ですか?」と聞いていますから、このセリフの後にAさんは、「Sallyさんの携帯電話番号を知っているので、直接電話して、居場所を聞いた」ということになります。
今回はわかりやすくするために、日本語で書きましたが、日本語で書かれても、よく読まないと引っかかりそうですね。

ましてや本番では、英語であり、なおかつリスニング問題であり、解答時間もとても短いですから、パニックになる可能性は大です!

ではこういう問題にどのように対応すればいいのかというと、これはご自分の目標点に応じて決められるのがよいのではないかと思います。

今回紹介したようなひっかけ問題は、たくさん出るわけではなく、出ても1,2問程度ですから、捨ててもいいわけです。

例えば、860点越えを狙うのであれば、こういうひっかけ問題は潔く捨てて、頭も気持ちもすっきりさせて、次の問題に向けて準備をする方がよいでしょう。

TOEICは大半の問題が素直な問題です。こういう素直な基本・標準というレベルの問題を確実にクリアしていけば十分860点を超えることができます。

最近、難化傾向が著しいTOEICですが、それに正面から当たっていくトレーニングも大切ですが、1問1問当たるごとに、「こりゃ難しいわ!」と思った問題を潔く捨てる・解ける問題はミスなく処理するというメリハリのある解答をするトレーニングをすることの方がより重要になります。

いうまでもなく、日ごろの訓練のメニューに「問題を聞いたり読んだした時点で、難問・易問の判断をすばやくつける」ということができないといけないというのは言うまでもないありません。

一方で、900点越えを狙う方は、こういった問題にも果敢に取り組んでいただきたいと思います。

公式問題集でもこういった問題は1セットにつき、1,2問ですから、それだけを何度もといておけばいいですし、定評のあるTOEICの問題集でむずかしめのものが収録されているものでトレーニングをすればいいと思います。

(ただし、こういう難問が解けるかどうかが最大の決め手になるわけではなく、むしろ時間が余るほどのスピードで解いて、9割~9割5分の正答率を出す訓練をする方が重要です。)

「なんだか難しくなって、つらいなぁ~」と思われるかもしれませんが、難問が出るようになったから、点が下がるということは原則的にありえません(同じ英語力を持っていれば、点数はほとんど変わらないように作られています)ので、気にせずがんばっていきましょう!